mongolyyのブログ

開発(Javascript, Typescript, React, Next.js)や開発手法(スクラム, アジャイル)、勉強したことについて色々書ければと。

「エンジニアのためのマネジメントキャリアパス」を読んだ。そしたら、キャリアについて少しスッキリした

はじめに

メーカーでコーポレート部門でソフトウェアエンジニアをやっているモンゴルです。
最近、自分のキャリアであったり、自分の周囲の体制について考えることがあり、なにか参考にしたいと思い、次の本を読みました。

感想

特に印象に残った2つのことを示したいと思います。

職位と職責を分けるべきということ

筆者が「テックリードは職位ではなく、職責として扱われている、言い換えると、テックリードだから偉いとかはなく、シニアレベルのスキルを持ちつつピープルマネジメントできる人が担当し、定期的に交代している」という旨の記述があったのが興味深かったです。
過去、「このポジションが空いているから、能力に不安があるが担当する」「能力はあるけど、ポジションが空いていないから上に上がれない」みたいな事象を見ていて"もやっ"たことがあったので、こういう考え方は非常にいいな~と思い、自分がチームを作るときも取り入れたいなと思いました。

本書で書かれている、テックリードが担っている役割も PM + スクラムマスター + エンジニアリングマネージャー のようなものであり、たしかに人間力と開発力がある開発者であれば務まるし、そうなると、PMやスクラムマスター、エンジニアリングマネージャーというロールは不要で、テックリードがいるだけでいいのではないかなー?と、思いました。 また、テックリードというのも名前はどうでも良くて、マネージャーやステークホルダーが望む形に合わせてチームメンバーが分担してその役割を担っていくという形もありなのではないか?と、思いました。

最近は「テックリードを目指すのか?」「エンジニアリングマネージャーを目指すのか?」ということで悩んでいたのですが、どちらも求められる要素は同じ(各要素のレベルは違うかもだが)なので、現段階では道は絞らず、愚直に技術力を高め、仕事を通してピープルマネジメントも成長させていく、そうやってエンジニア、社会人としての価値を高めていくのが結果的に自分がやりたいことを実現するための近道になりそうとも思うようになりました。

また、先日、 RSGT2022で牛尾さんの話 のなかでは、"優秀なマネージャーとエンジニアだけがいる"というシンプルな構造になっていそうだったので、そこの話を受けても、「エンジニアとしての腕を磨き、ピープルマネジメント力もつけていき、マネージャーを目指す」というのが今の自分の理想だなーと思うようになりました。

1on1の進め方

スクラムマスターとして1on1をすることがよくあるのですが、自分の勘を頼りに、相手や目的に合わせて方式を変えていました。
本書では以下の型が紹介されており、あまり固定せず、もうちょっといろいろ試してみてもいいかもと思いました。

  • TODOリスト型
  • キャッチアップ型
  • フィードバック型
  • 経過報告型

ただ、どういう方法をやるにしても「相手を理解する」という気持ちは忘れずに取り組みたいと思いました。

終わりに

マネージャーとしても、マネジメントされる人としても、転職しようとする人としても、体制を作っていく人も、色んな立場の人の役に立ちそうな情報満載でした。
ただ、まえがきでも書かれていますが、アメリカでの話がメインになっているので、現在の日本と思想が異なるところもほんの一部ありますが、そういった章もむしろ考え方は参考になると感じました。

また、以下のようなことも思いました。

また、時が経ったら立場も変わると思うので、そのときに読み返してみようと思います。

「UMLモデリングのエッセンス 第3版」を読んだ

はじめに

Clean Architecture 達人に学ぶソフトウェアの構造と設計 (アスキードワンゴ)エリック・エヴァンスのドメイン駆動設計を読んでいて、UMLが当たり前のように出てくるので、この機会にちゃんと学んでおこうと思い、下の本を読んでみました。

自分は最初の全体の話とクラス図、シーケンス図の章を読みました。
クラス図とシーケンス図を読んだのは他の書籍でもよく出てくるからです。
簡単に感想を書いておこうと思います。

感想

本書を読んで、正確性、網羅性よりも手早く、(UMLの規約的に正しくなくてもいいので)意図が伝わり、UMLを通じてドメインのコミュニケーションをすることが重要だと理解しました。
この点について、DDD本と似たことが書かれていることから、昔から思想はあまり変わっていない(もしくはUMLが自分が思った以上に最近のツールである)と感じ、驚きました。

また、以下のような詳細な気づきも得ました。


UMLと一言で言っても3種類のモードがあるということがわかりました。今後人と話すときは使い分けていきたいです。

また、2つの観点が存在するとも書いてありました。

個人的には概念的観点というのは初めて知りました。
最近読んだDDD本で、「UMLドメインエキスパートと共有しながらドメインの会話をする」の旨の記述があって、「無理じゃね?」と思っていたのですが、本書により「概念的観点でのUMLを共有するということだったのかな?」ということで納得できました。

終わりに

UMLの記載方法はなんとなくわかっている人が、より理解を深めるための本でした。
マーチン・ファウラーさんの主観で、モデリングをする意味、ドキュメントを作る意味などが書かれており、大変勉強になりました。
また、UML自体はアジャイル開発と相性の良いツールとして作られたんだなーと理解し、今後私のチームでも積極的に使っていきたいなーと思いました。

私のスキルマップ作成の進め方

はじめに

mongolyy.hatenablog.com に続き、スキルマップ作成の進め方についてここに整理してまとめておこうと思います。

進行役としてやること

  • 事前準備
    • スプレッドシート、miro、notion等で表を作っておく
    • 説明資料をwiki等に書いておき、参加メンバーに事前準備の依頼をする
  • 当日やること
    • 楽しんで進行する

以下説明資料

チームビルディングの目的は 過去記事 と同様なので省略します。

スキルマップの目的

個人的には次のことに尽きると思っています。

これらの目的が達成されることにより、

  • あうんの呼吸でサポートしあえる
  • チームの弱い部分をカバーするような立ち回りが、チーム全体で自然とできるようになる
  • 自分で宣言すること、周囲とのベクトル合わせにより自己学習に対するモチベーションアップ

といった効果が期待でき、チーム活動がよりスムーズになります。

スキルマップ作成のアンチパターン

  • 人事評価とからめる
    • 過大申告すると、スキルマップの目的が失われるので
    • 目標管理とスキルマップの「今後習得したいスキル」が同じになる場合もあるかもしれませんが、過大申告につながると良くないので分けて考えるようにしましょう
    • この場も、人事評価とは関係ないので、ありのままのスキルを書くようにしましょう
  • スキルマップの項目を固定にする
    • チームの成長、プロジェクト/プロダクトの状況により必要なスキルも変化します
    • 定期的に見直しましょう
      • 最初の頃は1ヶ月周期、プロジェクト/プロダクトが落ち着いてきたら半年で見直せばいいと思います

事前準備

スキルマップのたたき台を作成しておきますので、以下の凡例に従って入力をお願いします。

◎ :人に教えられる
○ :一人でできる
△ :サポートがあればできる
・ :今後習得したい
空欄:できない

また、追加したい項目、削除したい項目があればその列挙もお願いします。(実際に追加・削除の投票はワークショップ当日に行います)

当日の流れ

  • アイスブレイク (2分)
    • 今のお気持ちを書く時間 (1分)
    • 共有する時間 (1分)
  • 改めて説明 (3分)
  • 追加、削除したい項目の議論(10分)
    • 追加したい項目、削除したい項目の列挙(2分)
    • 追加したい項目、削除したい項目の理由の説明(5分)
    • 追加したい項目の投票、削除したい項目の投票(2分)
      • 追加する項目は最大m票、削除したい項目も最大n票というように制限をつける
    • 投票によって決まった、追加される項目と削除する項目を表に反映(1分)
  • スキルマップに自分のスキルの入力(3分)
  • スキルマップに書いた自分のスキルの説明 (1分/人)
    • 特に、こういうサポートができるとか、今後、こういうことをできるようにしたいとか
  • クロージング (30秒/人)
    • 一人一言感想を言う。気づいたことでも、今後の抱負でも。

参考資料


終わりに

私は、こういう風に進行しているよ!など、意見ありましたらコメントで反応していただけると嬉しいです。

「ピープルウエア 第3版」を読んだら、オフィス環境整備の重要性に気づいた

はじめに

メーカーのコーポレート部門でソフトウェアエンジニアとして働いているmongolyyと申します。
「ピープルウエア 第3版」がkindleのセールで安くなっていたので買って読んでみました。

感想を書きたいと思います。

感想

人間中心な観点から語られており、アジャイル開発に通づる話が多かったので、大体の話はスッと入ってきました。
そんな中でも、次の話が特に気になりました。

  • 立てる目標によって、アウトプット量が異なる話
  • 快適なオフィスとは?働く環境とは?の話

それぞれについて、簡単に触れたいと思います。

目標の話

立てられた目標の高さによって士気が変わるので、目標が高ければ良いというわけでもなければ、低くてもだめで、適切な量を設定するのが良い。なんなら、目標を設定しないほうがアウトプットの量は多いという研究結果があるということが書かれていて、前者はわかるなーと思いつつ、後者はどうなんだろう?と、思いました。

ここらへん、スプリントゴールを設定せずに、スプリントを実施してみるとベロシティは良くなったりするのかな?と、思いました。
(ベロシティが上がったとしても、チームの一体感は無くなり、長期的な生産性は落ちるようにも思いましたが、、、)

オフィスの話

オフィスへの投資が生産性向上に対してコスト効率がいいこと、オフィスのレイアウトはチームによって様々であること、静かなオフィスが生産性を向上させること、創造性のある仕事をする際は音楽をかけるのが良くないこと等が研究結果とともに書かれていました。

適切な配置はまさしくその通りだなと思っており、昔、一週間ごとに役割を見直し、チームの席を入れ替えて、うまくいったことを思い出しました。
また、今の会社で、「自分たちの部屋が与えられて、自由に組み替えていいよー」と言われれば、静寂も訪れるし、モブや相談などしやすい配置にできて効率良くなるなーという妄想もしていました。

また、音楽が良くないという話も興味深く、ブレストでアイデア出しをしているときに音楽をかけることがありますが、あれはあまり良くないことだったりするのかな?とか思ったり、音楽をかけたときと、かけなかったときで比較してみたいなと、思ったりもしました。

まとめ

「チームの活動をもっと生産的にしたい!」と考えられているマネージャーの方におすすめの本でした。
特に、オフィスについてここまで言及れている本はあまり出会ったことがなかったので、そういう観点で意見がほしい方は、是非本書を読んでみると良いと思います。

NVC(非暴力コミュニケーション)を学んで、自分の中の視点が増えた話

はじめに

最近、アジャイルコーチから以下の動画を薦められて見てみたのですが、これを見たことで新しい視点を手に入れることができた気がするので、その思いを綴ろうと思います。 (とか言いつつ、実は四分の一しか見ていないので、冬休みに残りを見ようと思います。。汗)

マーシャル・ローゼンバーグ NVC(非暴力コミュニケーション) 入門編4の1

マーシャル・ローゼンバーグ NVC(非暴力コミュニケーション) 入門編4の2

マーシャル・ローゼンバーグ NVC(非暴力コミュニケーション) 入門編4の3

マーシャル・ローゼンバーグ NVC(非暴力コミュニケーション) 入門編4の4

どんな視点で見るようになったのさ?

  • 良い悪いという一つの評価軸で物事を捉える機会が減った
  • イメージで語るということを無くそうと意識し始めた
  • 他者の話について、イメージで話しているかどうか注意するようになり、どこまでが実際に起きた事象なのか把握するように努めるようになった

以上のような効果があったと思います。

1個目について補足します。
良い悪いという二元論的評価については、物心ついた頃から、学校、親から次のような教育を受けていると思っています。

  • 正解を取ること、成功すること = 良いこと、褒められる
  • 間違いをすること、失敗すること = 悪いこと、怒られる

この考え方は他者を躾けるという意味では便利なのかも知れませんが、
現実の事象ではこの二元論で分類できないこともありますし、アジャイル的な考え方をすれば、失敗することはむしろ学びの機会でもあり良いことだったりもします。

つまり、正しい、正しくないというのはあくまでイメージでしかなく、それ自体に分類する意味はないし、仮に分類するにしても、表裏ではなく隣同士くらいの関係なので、少しずらして考えてみるだけで、意味はひっくり返るということになると、思っています。

結果どうなったのさ?

  • 人の話を聞くときに、課題にフォーカスできるようになった
  • イメージに囚われなくなり、精神的負担が減った

イメージが先行したり、良い悪いの話になると、同情して、解決策を見いだせずに終わったり、ミスリードによって本質的な課題にたどり着けずに終わることありましたが、事実のみを捉え、良い悪い等のイメージを排除することで、課題にフォーカスできるようになりました。
また、「間違ってしまった!!!」みたいな負い目の感情も和らぎやすくなったり、「なんであの人は〇〇してくれないんだ!これが正解なのに!!!」みたいなことでイライラもしなくなりました。

他にも、議論で感情的になることが少なくなったように感じます。

終わりに

  • 物事を俯瞰したい方
  • 心の安定を手に入れたい方

は、是非、この動画を見てみると良いと思います。

また、こういう何が正解とか無いよねという認識に達すると、一見、負に見えるようなことも、受け入れられるようになると思っています。
こういう認識により「無知の知」の認識も得られるようになりそうだなとも思いました。

私のドラッカー風エクササイズの進め方

はじめに

今までもいくつかの会社でドラッカー風エクササイズをやって来たのですが、毎回説明資料を作るのが面倒なので、ここに整理してまとめておこうと思います。

進行役としてやること

  • 事前準備
    • スプレッドシート、miro、notion等で表を作っておく
      • サンプル用に自分の回答を最右列に書いておく
    • 説明資料をwiki等に書いておき、参加メンバーに事前準備の依頼をする
  • 当日やること
    • 楽しんで進行する

以下説明資料

チームビルディングの目的

心理的安全性」と、「信頼関係」を構築するのが目的です。
これからチームで仕事に取り組むためには上記2つが大事だと思います。

Googleの研究( Google re:Work - ガイド: 「効果的なチームとは何か」を知る )では

効率的なチームで重要なことは「誰がチームのメンバーであるか」よりも「チームがどのように協力しているか」である

という研究結果も出ています。

ドラッカー風エクササイズの目的

アジャイルサムライ」という本にはドラッカー風エクササイズが以下のように紹介されています。

次の質問に答えることを通じて、チーム内の対話と信頼関係をかたちづくる。どちらも高いパフォーマンスを発揮できるチームなら必ず備えているものだ。

  • 自分は何が得意なのか?
  • 自分はどうやって貢献するつもりか?
  • 自分が大切に思う価値はなにか?
  • チームメンバーは自分にどんな成果を期待してると思うか?

私は、 メンバーの志向の把握、自分への期待感をすり合わせることで、すれ違いを減らし、やりがいを持って働ける状態に近づける というのがドラッカー風エクササイズの目的だと解釈しています。

事前準備

スプレッドシート、miro、notion等に表が用意されているので、そこを埋めていってください。
具体的には、表の次の項目を穴埋めしてください。
それぞれの項目について、箇条書きで1,2個書くようにしてください。箇条書きは1項目につき最大3個にしてください。
最右列に私のサンプルを書いておきます。

  • 名前とあだ名
  • 自分は何が得意か?
  • 仕事のやり方
  • どうやって貢献するか?
  • 自分が大切に思う価値はなにか?
  • チームメンバーは自分にどんな成果を期待していると思うか?
  • ストレングスファインダー(やっていれば)

当日の流れ

  • アイスブレイク (2分)
    • 今のお気持ちを書く時間 (1分)
    • 共有する時間 (1分)
  • 改めて説明 (3分)
  • 一人ずつ (8分/人)
    • 自分が書いたことの発表 (3分)
    • 他の人が期待することを書く (2分)
    • 他の人が期待することを共有 (3分)
  • クロージング (30秒/人)
    • 一人一言感想を言う。気づいたことでも、今後の抱負でも。

参考資料


終わりに

ドラッカー風エクササイズの問いに対する答えは自分の成長とともに変わってきます。
人が増える等プロジェクトの節目に見直すと良いと思います。

私は、こういう風に進行しているよ!など、意見ありましたらコメントを書いていただけると嬉しいです。

プロジェクトマネージャ試験をどう勉強して、一発合格したか?

はじめに

メーカーのコーポーレート部門で働いているmongolyyです。
令和3年秋のプロジェクトマネージャ試験に一発合格することができたので、自分が実践した勉強法をここに書きたいと思います。

勉強期間と時間

勉強期間:約1~1.5ヶ月
勉強時間:40時間程度

勉強の順番

午後Ⅰ対策→午後Ⅱ対策
スキマ時間に午前Ⅱ

午前対策

以下の「プロジェクトマネージャ試験ドットコム」というサイトで勉強しました。

www.pm-siken.com

このサイトの特徴としては

なので、スキマ時間に勉強しやすくなっています。
私は電車の移動時間などでこのサイトを利用して、5年分ほど解きました。

IPAの午前は類似問題がよく出るので、このくらい解いて中身を理解している場合、8割はほぼ確実に取れるようになります。

午後対策

私は「情報処理教科書 プロジェクトマネージャ 2021年版」という書籍で勉強しました。

この本では勉強の取り組み方について記載があるのでこれに沿って、また、意識してすすめるといいと思います。
本書では午後Ⅱ→午後Ⅰを繰り返すといいと記載がありましたが、初見で午後Ⅱはハードルが高いと感じたので、午後Ⅰから先に取り組みました。

試験までの残り時間がなかったので、午後Ⅰ、午後Ⅱは本書の◎の問題のみを解きました。
加えて、午後Ⅱについては○の問題の予防接種(詳しくは本書記載)もしました。
午後Ⅰの問題を先にやっていること、午後Ⅱの予防接種により、午後Ⅱのネタを効率的に集めて整理することができたと思います。

また、午後Ⅱの問題を最初解くとき、なかなか書き出せなかったので模範解答をみながら自分の経験を踏まえて書きました。
初回以外は問題文だけを読んで論文を書くようにしました。

また、午後Ⅱ対策として、問1の書き出しのテンプレは用意するようにしていました。
実際試験を受けると、時間はギリギリだったのでテンプレは必ず用意したほうがいいと思いました。

終わりに

初めての論文試験で慣れないところもありましたが、書籍に記載の勉強法、解説が結構良かったので、それでだいぶ助けられました。
ここどうしたの?みたいなことがあればコメントいただけると嬉しいです。

来春は「ITストラテジスト試験」「システムアーキテクト試験」あたりに挑戦していこうと思います!